はじめに|脂質も大事な味方です
「ダイエット=脂質カット」と思い込んでいませんか?
たしかに脂質は、1gあたり9kcalと高カロリー。他の三大栄養素である**糖質やタンパク質(1gあたり4kcal)**に比べて倍以上のエネルギーがあります。そのため、摂りすぎると体脂肪が増える原因にもなりがちです。
しかし、脂質は髪や肌の健康、ホルモンの生成、代謝の維持にとって欠かせない大切な栄養素。むしろ、ダイエット中でも必要な脂質をうまく取り入れることで、ストレスを減らし、リバウンドしにくい体を作ることができるのです。
脳をだましながら脂質と付き合う
前回の記事(こちら)でもお伝えしたように、脳は「急な変化」にとても敏感です。
脂質を急激に減らすと、脳は「飢餓状態かも?」と勘違いしてしまい、強い食欲や脂肪を溜めこむ省エネモードを引き起こす原因に。これはまさに「痩せにくい体」への第一歩です。
大切なのは、アプリや体組成計などを活用して今の自分の食事内容を把握しながら、
- 少しずつ、
- 脳に気づかれないように、
- 無理のない範囲で、
脂質の**「量」と「質」**を整えていくことです。
脂質の種類と役割|全部が悪者じゃない!
脂質にはいくつか種類があり、それぞれ体への影響が異なります。ダイエット中に避けたい脂質と、むしろ積極的に摂りたい脂質を知っておきましょう。
脂質の種類 | 代表例 | 体への影響 |
飽和脂肪酸 | バター・ラード・肉の脂 | 取りすぎると内臓脂肪・コレステロール↑ |
不飽和脂肪酸(オメガ3・6) | 魚・亜麻仁油・ナッツ類 | 血液サラサラ・代謝サポート・抗炎症効果 |
トランス脂肪酸 | マーガリン・加工食品 | 肌荒れ・動脈硬化リスク(できれば避けたい) |
💡 目指すのは「良質な脂質を、適量、適切なタイミングで摂る」こと!
たとえば…
- バターやマーガリン入りのお菓子やパンではなく、
- 魚やナッツなど、栄養価の高い脂質源から摂るのがベター。
脂質をとるなら「朝」がベスト!
脂質は消化吸収に時間がかかるため、朝に摂取しておくと日中の活動でしっかり消費しやすくなります。さらに、満腹感も持続しやすく、間食予防にもなります。
✅ 朝におすすめの脂質源
- 卵(全卵)
- アボカド
- ナッツ少々
- 鮭やさばなどの脂の乗った魚
これらは脂質と一緒にタンパク質も摂れるので、特に朝食にぴったり。たとえば、**「鮭+味噌汁+ごはん+野菜の副菜」**といった和定食スタイルは、脂質・タンパク質・炭水化物のバランスも良く、理想的な朝ごはんです。
ここから始める!脂質との上手な付き合い方
脂質を敵にせず、味方にするにはどうすればよいのでしょうか?
このあとご紹介する Step1〜Step5 では、
- 自分に必要な脂質量の見極め方
- 脂質が体に与える影響
- 食材の選び方と判断のポイント
- 脂質を摂るタイミングの工夫
- 脳をだましながら続けるコツ
などを、具体的な例とともにわかりやすくお伝えしていきます。
それでは、Step1:自分に合った脂質量を知る からスタートしましょう!
Step1:自分に合った脂質量を知る
脂質は三大栄養素の中でももっとも高カロリー(1gあたり9kcal)。だからこそ「控えめにしなきゃ」と思いがちですが、まったく摂らないのは逆効果。ホルモンの材料になったり、満腹感をキープしたりと、ダイエット中でも適量の脂質は必須なんです。
❍ まずは目安を知ろう
1日に摂取する脂質の目安は、体重(kg)×0.8〜1gが基本です。
- 体重50kg → 40g〜50g
- 体重60kg → 48g〜60g
- 体重70kg → 56g〜70g
これを大きく超えると、たとえカロリーが抑えられていても、脂肪がつきやすくなるリスクがあります。
❍ 脂質は「意識しないと過剰になりやすい」
脂質の怖いところは、無意識に摂ってしまいやすいこと。
たとえば…
- ラーメン(塩味でも脂質10g以上、こってり系は15g以上)
- 焼き餃子(5個で約13.5g)
- 唐揚げや焼肉、バター入りのパンやスイーツ など
一見、普通の外食でも、1食で脂質20g以上は簡単に超えてしまいます。体重60kgの人が、1日の最大量である60g以内に収めたいと思っていても、1食で1/3〜半分以上を消費してしまうことも…。
❍ なぜ脂質を減らしすぎてはいけないの?
脂質は「減らすべき敵」ではなく、**「うまく付き合うべき味方」**です。
脂質は次の体の機能に重要な役割を果たしています。
- 女性ホルモンの分泌
- 肌や髪のうるおい維持
- 脳や神経の正常な働き
- 長時間の満腹感の持続
特に女性にとって、痩せたとしても肌や髪が荒れてしまっては自分の望むダイエット成功とはならないでしょう。こうした機能を保つために、ある程度の脂質は欠かせません。
特に朝食での脂質摂取は、その後のエネルギー効率を上げてくれます。脂質は吸収に時間がかかるため、日中の活動のエネルギー源としてとても有効です。
❍ 脂質との付き合い方のポイント
- アプリや体組成計で現在の摂取量を確認
- 体重×0.8〜1gを目安に、1日の上限をざっくり把握
- 食材の脂質量を知って、「質のよい脂質」を「朝や昼に」選ぶ
量だけでなく、自分の体の反応も重要です。たとえ規定値内に収まっていても、ニキビや吹き出物がで始めれば自分にとっては脂質の摂取量が多いということ、最初は規定値で試して、減らしたり増やしたりしながら自分に必要な摂取量を決めていきましょう。
💡ダイエット中こそ「食材の中に含まれる脂質量」をチェック!
脂質を「完全にカット」しようとするのではなく、自然に摂っている脂質を“見える化”して、コントロールする意識を持つことが大切です。
次のStepでは、「脂質の質をどう変えるか」について詳しく解説していきます!
Step2:脂質が体に与える影響を知る(摂取方法の注意点あり)
脂質はただの「太るもと」ではなく、正しく摂れば体のリズムを整え、美容にも役立つ重要な栄養素です。ただし、摂り方を間違えると不調の原因にもなります。
❍ 摂りすぎると起きやすい不調
脂質を必要以上に摂取すると、以下のような変化が出やすくなります:
- 胃もたれ、便秘
- ニキビや肌荒れ
- なんとなくの眠気・だるさ
- 脂肪の燃焼が進みにくくなる
特に、脂質は消化に時間がかかるため、夜に揚げ物や脂の多い食事を摂ると、翌朝に重さを感じやすくなることもあります。
❍ 適量を守ると、脂質は“美容とダイエット”の味方に
脂質を必要量しっかり摂れていると:
- 満腹感が長続きし、間食が減る
- ホルモンバランスが整い、PMSや肌の不調が軽減される
- 髪や肌にツヤが出やすくなる
脂質を上手に取り入れると、単に「痩せる」だけでなく、内側から整う感覚も得られるようになります。
❍ 摂取の仕方に関する注意事項
脂質の“質”と同じくらい大切なのが、「どう摂るか」です。
▶ アマニ油・えごま油などのオメガ3系脂肪酸は熱に弱い
- 加熱調理には使わず、サラダやスープにかける形で“生”で摂取するのがベスト
- 高温で加熱すると酸化しやすく、せっかくの健康効果が失われてしまいます
▶ 調理に使う油は“量”と“種類”を意識
- サラダ油などの混合油よりも、オリーブオイル・米油など安定性の高い油を使いましょう
- できれば小さじやスプレーで量を調整し、**「どれくらい使っているか」**を把握するクセをつけて
▶ 揚げ物や加工品は“脂質のかたまり”と心得る
- 外食やコンビニの揚げ物・スナック菓子などには見えない脂質が多く含まれます
- できれば自宅でノンフライヤー調理などに置き換えると、摂取量のコントロールがしやすくなります
▶ 保管方法にも注意
- アマニ油やえごま油など酸化しやすい油は、開封後は冷蔵庫保管・早めに使い切るのが鉄則
- 酸化した油は風味も悪く、体への悪影響(炎症や老化の促進)も懸念されます
❍ 一言アドバイス
最初は「油の量なんて気にしたことない…」と思うかもしれませんが、記録するだけでも意識が大きく変わります。また、最初から完璧にできる必要はありません。やっていくうちに、だんだんと気をつけることが身についてきます。“気づかないうちに摂りすぎていた脂質”を見える化するだけでも、ダイエットの成果はグッと変わりますよ。
Step3:脂質の“質”を見極める
脂質は「太る原因」ではなく、**選び方と摂り方しだいで“美容と健康の味方”**になります。特にダイエット中は、余分な脂肪をためず、体を整える脂質を選ぶことが重要です。
❍ おすすめの「良質な脂質」
食材例 | 主な脂質 | 働き |
---|---|---|
青魚(サバ、イワシ) | オメガ3脂肪酸 | 血液サラサラ・抗炎症・代謝サポート |
ナッツ類(素焼き・無塩) | 不飽和脂肪酸 | 間食の満足感・抗酸化作用 |
アボカド、オリーブオイル、えごま油 | 一価不飽和脂肪酸・オメガ3 | 美容・脳の働き・腸内環境のサポート |
卵(全卵)、納豆 | 卵黄脂質・植物性脂質 | ホルモンや細胞膜の材料になる |
❍ 控えたい「脂質」
食材例 | 主な脂質 | 注意点 |
---|---|---|
揚げ物・フライドポテト | 酸化した植物油脂 | トランス脂肪酸発生のリスク |
マーガリン・ショートニング | トランス脂肪酸 | 動脈硬化・肌荒れ・肥満を促進 |
加工食品・菓子パン | 植物油脂・加工脂 | “見えない脂質”で摂取過多になりやすい |
❍ 摂り方のコツ:習慣にしやすい工夫
- 油は計量して使う:小さじやスプレーで管理 → 「無意識の摂りすぎ」を防ぐ
- サラダ油をやめて、米油かオリーブオイルに変更:加熱調理の酸化を防ぎ、体にやさしい
- 加工された脂質は“避ける”より“減らす”意識で:外食や市販品は毎日続けないよう調整
❍ 実体験からの工夫(筆者の場合)
私は普通の揚げ物をやめて、ノンフライヤーで調理するようになりました。ノンフライヤーに並べてから、スプレー式のオイルを吹きかけることで、十分揚げ物になります。少し食感は変わりますが、カロリーや脂質が大きく抑えられ、揚げ物にこだわりのない私には脂質も大幅にカットできるし、どうしても揚げ物を食べたい時の満足感は十分でした。
私が使用しているのは、一万円以下のCOSORIの安価なノンフライヤーです。買ってきた揚げ物の油落としに使ったり、唐揚げやフライドポテトを作る程度なら十分なクオリティでした。
また、揚げ物に関わらず、どうしても油が必要な場合は、スプレー式オイルを使って、必要最小限の量にとどめるようにしています。少しずつ慣れていくと、「これくらいで足りるんだな」と自分の感覚も育っていきます。
❍ 繰り返しになりますが、大切なのは…
脂質は、「減らす」だけではなく「見極めて、うまく使う」こと。
美容も、健康も、ダイエットも、“味方にできる脂質”を選ぶことから始まります。
これらは脂肪の燃焼やホルモンの合成をサポートし、代謝を落とさずに痩せる体づくりに役立ちます。
Step4:脂質の摂取タイミングとコツ
脂質は「摂る時間帯」によっても、体への影響が変わってきます。ダイエット中でも脂質をうまく活用したいなら、**“いつ・どう摂るか”**がカギです。
❍ 朝に摂る脂質は味方になる!
脂質は糖質やタンパク質に比べて、消化吸収に時間がかかり、腹持ちが良いという特徴があります。
そのため、朝食で適量を摂っておくと、午前中の間食が減り、1日のトータル摂取量も自然と抑えられます。
さらに、脂質は集中力やホルモン分泌にも関係しており、朝に適度に摂ることで、1日をアクティブに過ごせるようになるのです。
▶ 朝におすすめの脂質食材:
- 卵(卵黄に特に入っています。ゆで卵、目玉焼きなど)
- アボカド(量が多くなりやすいので注意。パンに乗せてもOK)
- サバやシャケなどの魚(グラムが数えやすく、記録しやすいです)
- 素焼きナッツを少し(5〜10粒程度。持ち運びやすく、日持ちもするので、おやつにもOK)
❍ 避けたいのは「夜遅くの脂質」
基本的に夜はもう寝るだけなので、体の活動量は睡眠モードに入り少なくなり、脂質をエネルギーとして使い切ることができません。
そのため、夜遅くの脂質は体脂肪として蓄積されやすくなります。
特に、夜ごはん後のお菓子・ポテチ・ケーキなどには注意!
「疲れたごほうび」に脂質を摂ると、痩せづらいサイクルに…
夜はできるだけ、低脂質・高たんぱく・消化の良い食事を意識しましょう。
❍ 自分の生活スタイルに合わせた工夫も大切
「朝は時間がない…」「夜しかちゃんと食べられない…」という方も大丈夫。
そんな時は、脂質の“質”と“量”を意識して、小さく調整していくことがポイントです。
例えば:
- 朝はナッツを持って出て、おやつに食べる
- 夜は脂の少ない部位の肉(鶏むね肉、豚ヒレなど)を選ぶ
- ドレッシングはノンオイル、または小さじ1/2にとどめる
- 調理は蒸す・茹でる・焼くが基本
❍ 最後に:食べ方も「脳をだましながら」
脂質も糖質と同じく、いきなりカットするのではなく、ゆっくりと変えていくことが大切です。
今日からすぐできる範囲で、「脂質を摂る時間」も見直してみることで、体の変化がグッと実感しやすくなります。
Step5:脂質と上手に付き合うためのセルフチェック&調整術
脂質とのつきあい方を変えていくときに大事なのは、**「自分の反応を知ること」**です。
ダイエット中にありがちな“思い込み”や“なんとなく”の習慣を見直すことが、ストレスなく脂質を減らしていくコツになります。
❍ 食べたあとの体調を観察しよう
脂質を含む食事をしたあと、次のような変化がないか、毎回簡単にチェックしてみましょう。
- 食後に眠くなっていないか?
- 胃がもたれる感じはないか?
- 翌日の肌やお通じの変化は?
- 前日より体が重く感じないか?
✅ これらの「体からのサイン」は、脂質が多すぎる/合わない種類だったというヒントになります。
❍ 食事記録をとると、調整がラクになる
脂質は“目に見えないかたち”で含まれていることが多く、自覚しづらい栄養素。
そのため、**「何を食べて、どれくらい脂質が含まれていたか」**を、1日〜3日間だけでも記録してみると、驚くほど傾向がつかめます。
- アプリでざっくり記録(カロミル・あすけんなど)
- 紙や手帳に「脂質多め」とだけメモするのでもOK
- 調理に使った油の量を計量スプーンで記録するのもおすすめ
記録をもとに、「朝に脂質を増やして、夜は抑えてみよう」「外食は週1回だけ脂質OKにしよう」など、自分ルールを見つけてみてください。
❍ “たまのごほうび脂質”はOK!でも頻度と量を決めて
脂質は、食の満足感や幸福感にも大きく関係しています。
だからこそ、「絶対にNG!」にしてしまうと、かえってストレスになったり、爆発してしまうことも。
週に1回のご褒美として「お昼に唐揚げ定食の日」を決めたり、どうしても食べたい時は「3個まで」と決めてから楽しんだり、“食べるタイミングとルール”を決めて付き合うのが大人のダイエットです。
❍ 脳を味方につけた脂質管理で、長く続けられる体へ
いきなり脂質を減らすと、体だけでなく脳も「危険信号」を出します。
でも、**「気づかれないくらい、少しずつ」「良質な脂質で満足感アップ」**を意識していけば、
ストレスなく、しかも結果もついてくるダイエットが可能になります。
🔚 おわりに:まずは“観察”から始めてみよう
脂質は、あなたの味方にも、敵にもなります。
その分かれ道は、「自分の体の声を聞けているかどうか」です。
ぜひ、今日の食事から、脂質の種類・量・タイミングをちょっとだけ意識してみてください。
“痩せるため”だけでなく、“元気に、軽やかに過ごすため”の脂質管理がきっとできるようになりますよ!
🧠|脂質の管理はアプリ & ChatGPTで!
脂質、知らないうちに摂りすぎてるかも…?
そんなときは、アプリで記録 → ChatGPTで相談が最強タッグ!
STEP1:まずはアプリで脂質を“見える化”
▶ カロミルやあすけんで、1日の脂質量をざっくり把握
▶ グラフや履歴で「多かった日」がすぐにわかる!
STEP2:ChatGPTに相談!
アプリで出た結果をそのまま入力して…
「昨日は脂質68g、どう減らせばいい?」と聞くだけで、
食材の置き換えや調理法のヒントをくれるよ!
POINT:目標を伝えると、専属トレーナー化!
「1日45g以内にしたい」
「外食が多い週でもキープしたい」
→ ChatGPTが“脂質戦略”を一緒に考えてくれます◎
コツコツ記録×ちょこっと相談で、脂質管理もぐっとラクにしましょう!
しかし、Chat GPTはビッグデータをもとに回答をしてくれるため、自分に合っていないこともあります。Chat GPTにトレーナーをしてもらう場合は、「今日は脂質45gって言われたけど、だいぶお腹減っちゃった」「規定量食べたけど、胃もたれした」など都度結果を報告して内容を修正して、自分用にアップデートしてもらいましょう。
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